コラム
本日は、令和5年度から施行される、サービス管理責任者の研修要件の緩和についてお知らせいたします。
弊社は、介護・障がい福祉施設の建築から開設までトータルサポートをしています。
その際に多くの事業者様からご相談を頂くのが、「サビ管がいない…。」という内容です。
ただでさえ人材不足の時代なのに、サビ管の研修に時間を要し、
採用も育成も困難だと考えられている事業者様が多いと実感しております。
しかし、今回のサビ管研修要件緩和によって、この事態は大きく改善され、介護・障がい福祉業界のされなる盛り上がりが期待できます。
サビ管の新しい研修制度を知りたい方は是非お読みください。
【目次】
1.サビ管の研修要件緩和によって期待できる効果は?
今回の要件緩和の一番の狙いは、質を担保しながら人員を確保することです。
サビ管の研修要件はこれまで、質の向上に重きを置いて変更されてきました。
そのおかげで、高い質のサービスを提供できていますが、反対に慢性的なサビ管不足になっていました。
更に、新型コロナウイルスの影響で多くの事業者のサービス展開に支障をきたしました。
これらを解決するために今回の緩和が実行されるわけで、その目的はすなわちこれまでのサビ管の質を担保しつつ、人員を確保しやすくする事になるのです。
2.サビ管研修要件緩和の背景
令和5年度からサビ管研修が緩和されることとなった背景には、大きく2つの要因があると考えられます。
1つ目が、令和元年に見直され、適用された従来の研修要件。
そして2つ目が、新型コロナウイルスによる影響です。
———(ア)令和元年度に見直された研修要件
前制度は、令和元年度に導入された、サビ管の質の確保のためのものでした。
従来、実務経験要件を満たす者は研修終了後に直ちにサビ管として配置することができたところ、前制度では、入り口の研修である基礎研修終了後、2年間の実務経験(OJT)を経たうえで実践研修の修了を要する仕組みとし、サビ管としての養成開始から2年以上を要することとなりました。
しかしこれによって、一部の事業者から、サビ管を直ちに確保することが困難となり、業務にが生じているとの声があり、今回の研修要件の緩和が実現しました。
———(イ)新型コロナウイルスによる影響
新型コロナウイルスによる影響も深刻でした。
行政による研修の中止や延期などが相次ぎ、サビ管養成のための研修が受けられず、サービス展開の計画の見直しを迫られる事業者が多かったとのことです。
これらの問題に対し、研修体制の見直しが求められ、令和5年度の改正が行われることになりました。
3.前制度からの具体的な変更点
ではここからは、具体的にどのように研修要件が変更され、緩和されるのかをお伝えいたします。
———(ア)OJT期間が2年以上から6か月以上に短縮
実践研修を受けるためには、OJTの期間が2年以上必要だったのが、6か月以上のOJT期間に短縮されました。
・実務経験(相談支援業務または直接支援業務3~8年)
↓
・基礎研修(26時間)修了
↓
・2年以上のOJT
↓
・実践研修(14.5時間)修了
・実務経験(相談支援業務または直接支援業務3~8年)
↓
・基礎研修(26時間)修了
↓
・6か月以上のOJT
↓
・実践研修(14.5時間)修了
この制度改正によって、サビ管の質を担保しながら、人員を確保しやすくなるかもしれません。
———(イ)みなし配置が最長2年に延期
やむを得ない理由により人員が欠如している時、実務経験要件(3~8年)を満たし、既に基礎研修を修了している人をサービス管理責任者として配置する場合には、実践研修修了時まで、最長2年間のみなし配置が可能になりました。
今までは最長1年間でしたが、人員確保の難しさから、このような緩和措置が採用されました。
しかし、以下の要件を満たしている必要があります。
また、人員欠如のやむを得ない理由とは、
サービス管理責任者等が退職、病気休暇など事業者の責に帰さない事由により欠如した場合」かつ、「当該事業所にサービス管理責任者等を直ちに配置することが困難な場合
と示されています。
4.まとめ
本記事では、サビ管不足の背景とそれに伴うサビ管の研修要件の緩和についてお伝えしました。
基礎研修後のOJT期間が2年以上から6か月以上に短縮され、みなし配置期間も最長2年間へ延長されました。
これにより、サビ管不足時の人員確保がより円滑になることが期待されます。
弊社では、障がい者グループホームをはじめ、介護・障がい福祉施設の建築から開設まで、トータルサポートいたします。
銀行融資から事業計画書作成・人材採用・利用者募集・最適なシフトの組み方までお気軽にご相談くださいませ。